読書
吉田修一の『国宝』を読んだ。上下巻併せて800頁超の長篇小説。 長崎の極道の長男の喜久雄が、数奇な運命で、上方歌舞伎の丹波屋に弟子入りし、芸を磨き、人間国宝に至るまでを描くお話し。起伏の激しい喜久雄の人生だけでなく、周りの人物もしっかりと描か…
ジョージ・ソーンダーズの『人生で大切なたったひとつのこと』を読んだ。 著者の、大学の卒業式でのスピーチを著したもの。5分で読める短いものだが、なかなかに深いお話し。で、答えを書いてしまうけど、タイトルに著者が求めているのは「もっとやさしいひ…
森博嗣の『すべてがFになる』を読んだ。クローズドサークルでの殺人事件を描くミステリー。 天才工学博士の真賀田四季率いる研究所だけがある孤島にキャンプにやって来た犀川助教授とゼミ生たち。犀川と女子大生の萌絵が研究所を訪れた時に、手足が切断され…
『まんがでわかる7つの習慣』を読んだ。 フランクリン・コヴィー・ジャパンの『7つの習慣』をまんがと解説でわかりやすく(?)書いた作品。わたし『7つの習慣』を読んでいなくて、こちらがわかりやすいかとおもって読んでみた。7つの習慣の趣旨はよくわか…
窪美澄の『ははのれんあい』を読んだ。 結婚し義父母とも仲良くやっていた由紀子は長男智晴を出産。手伝っていた家業がうまくいかず働きに出るが今度は双子を出産する。そんな折夫の浮気が判明して・・・。出産、育児、仕事など奮闘するさまを由紀子の視点で…
伊岡瞬の『痣』を読んだ。 刑事の真壁は妻を殺害され、犯人は自殺。事件後奥多摩分署に勤務していて2週間後に退職の予定だったが、管内で連続殺人事件が起こる。その死体には妻の胸にあった痣に似せるかのようなえぐられた跡があり、さらに妻や自分の所有物…
東山彰良の『流』を読んだ。直木賞受賞作。 舞台は台北、葉秋生の祖父が何者かに殺された。秋生は犯人を探していくのだが、その答えは、抗日戦争から国民党と共産党との内戦そして台湾へ逃れてきた一家の歴史にあった・・・。と書けばいかにも大河ドラマ的な…
夕木春央の『方舟』を読んだ。クローズドサークルで起こる殺人事件を描くミステリー。 長野県の別荘に集まった学生時代の友人7人。山奥にある地下建築にたどり着いたときは時間が遅く、そこに泊ることに。そこに道に迷った3人家族が現れて同宿することになる…
楡周平の『鉄の楽園』を読んだ。 東南アジアのR国の高速鉄道導入に際して、新幹線を売り込もうとしている経産省。そんな折、経産省の若手官僚で鉄オタの絵美子はSLの写真を撮りに行った山口で、やはり写真を撮りに来ていた鉄オタR国のチャン財閥の御曹司…
見波利幸の『上司が壊す職場』を読んだ。 部下にメンタル不調が出る職場は上司に問題がある場合が多く、その上司の傾向から4つのパターンに分類されるというのが著者の分析。 部下の感情がくみ取れない「機械型」、典型的なパワハラ上司の「激情型」、自分の…
東野圭吾の『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』を読んだ。 中学時代の同窓会を目前にして、元中学校教師の父が何者かに殺害される。娘の真世が慌てて郷里のさびれかけた街に戻ると、元マジシャンの叔父もやって来て自分たちで犯人捜しをするという。…
泡坂妻夫の『しあわせの書 名探偵ヨギ ガンジーの心霊術』を読んだ。 新興宗教の惟霊講会に忍び込んだヨギ ガンジー一行。惟霊講会では信者の事故による死亡が相次いでいて、その中で教祖の後継者を決めるための断食行が行われ、その勝者が二代目教祖になる…
杜宮花歩の『23時の喫茶店』を読んだ。 サブタイトルは「明日を彩る特別な一杯を」。 23時にオープンする紅茶専門店アルデバラン。予約して訪れた人が悩みを打ち明け、美味しい紅茶を一杯飲んで癒されるお店。お代は不要。そんなお店でアルバイトする伊織は…
木内一裕の『藁の楯』を読んだ。 幼女を暴行して殺した指名手配犯がなかなか捕まらないため、遺族が犯人を殺した人に10億円の賞金を進呈するという広告をだす。高額賞金につられて犯人を匿っていた者に襲われた犯人は福岡県警に出頭する。その犯人を殺そうと…
小松左京の『復活の日』を読んだ。50年以上前に著された長篇SF作品。 1960年代、強力な細菌兵器がつくられて、それにより、南極を除く全世界で人類が死に絶えた。その過程と、南極に残った人たちによる人類復活を描く作品。 冗長でまわりくどい文体は読み…
下村敦史の『黙過』を読んだ。命の重さを問いかけるミステリー。 轢き逃げにあって重体の患者は肝不全を併発、肝移植以外助かる道はなさそう。そんな患者が病院から忽然といなくなって・・・。 元厚生労働省の事務次官はパーキンソン病のため辞職するが、詐…
篠田節子の『インドクリスタル』を読んだ。上下巻併せて800頁超の長篇作品。 山峡ドルジェの社長の藤岡は、自社で製造する超高性能の水晶振動子に必要な水晶を求めてインドの片田舎へ赴く。そこで見つけた水晶の品質は申し分なく、ライバル他社に知られるこ…
ロルフ・ドベリーの『Think Smart』を読んだ。 サブタイトルは「間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法」で、よい人生を送るためのヒントが書かれているのだけれど・・・。 心理学的なアプローチが多いのだが、サラッと読んだだけでは全然頭に…
筒井康隆の『残像に口紅を』を読んだ。 世界からから「あ」がなくなると「あ」がつく人や物、言葉が消えていく。さらに「ぱ」がなくなると・・・、といった感じでどんどん言葉がなくなっていく虚構を描く作品。超実験的な小説で、まずまず楽しめるものの、さ…
井上夢人の『プラスティック』を読んだ。 フロッピーディスクに入っているファイルを著した態で書かれたミステリー。 夫が出張中の向井洵子は、誰かが自分たちの部屋に出入りしていて、自分に成りすましているのだと疑念を持つ。そして気がつくと向井洵子が…
川上弘美の『センセイの鞄』を読んだ。谷崎潤一郎賞受賞作。 駅前の飲み屋で一人呑みしてた37歳のツキコさん、隣り合わせた老人は高校時代の国語のセンセイだった。それ以来二人は飲み屋で言葉を交わすようになり、プライベートでも会うようになり、やがて恋…
湊かなえの『リバース』を読んだ。最終盤であっと驚くミステリー。 大学時代、同じゼミのメンバーで出かけた夏休みの避暑地。遅れてきた主催者を車で迎えに行った広沢は事故を起こして帰らぬ人となる。単独事故として扱われたが、飲酒していた広沢に行かせた…
浅田次郎の『母の待つ里』を読んだ。 大企業の社長松永徹が里帰りするところから始まるおはなし。久しぶりの里帰りを満喫する徹だが、なんだか違和感を感じながら読み進むと・・・。この章の最後に明かされるのは、この徹の里帰りは外資系のユナイテッドカー…
三日市零の『復讐は合法的に』を読んだ。 法律探偵事務所 Legal Reseach E を経営する弁護士の衿須鉄児。事務所の裏メニュとして合法的な復讐も受けている。そういった依頼を受けていくと意外なところから殺人事件の真相に迫るなど、いろんな事件の解決に至…
辻内智貴の『青空のルーレット』を読んだ。 表題作と太宰治賞受賞作「多輝子ちゃん」を収録。 「青空のルーレット」は、夢を追いかけながらビルの窓拭きバイトで生計を立てる若者たちを描いていて、ハッピーエンドのラストがイイ! 「多輝子ちゃん」は、大好…
宇佐美まことの『夜の声を聴く』を読んだ。 勉強はできるのに人とうまく接することができずに、中学でドロップアウトした主人公。ひょんなことから定時制高校に通いはじめ、同級生の働くリサイクルショップ兼便利屋に入りびたる。そこに持ち込まれた、カブト…
凪良ゆうの『流浪の月』を読んだ。本屋大賞受賞作。 両親を失い伯母夫婦の家に引き取られた小学生の更紗。叔母の家になじめず、従兄の性的いたずらもあって家に帰るのが嫌で公園で時間をつぶす毎日。そんなある日、毎日公園に来ているロリコンと噂される文(…
早見和真の『笑うマトリョーシカ』を読んだ。 政治家を目指し、実際に27歳で衆議院議員になり、47歳で官房長官なった清家。高校の同級生の鈴木が清家を裏で支えていた。そんな清家のことを記者が調べていくと・・・。 清家は誰かに操られているのか?もしそ…
森沢明夫の『おいしくて泣くとき』を読んだ。 お話は、高校生の心也とその幼馴染の夕花とカフェレストラン・ミナミのママゆり子の語りで進んでいく。心也と夕花の切ないひと夏の出来事を描きつつ、ダンプカーが突っ込んで半壊したカフェレストラン・ミナミの…
貫井徳郎の『悪の芽』を読んだ。 アニメイベントで火炎瓶を使った無差別連続殺人を行い、犯人はその場で自殺するという事件が起こる。エリート銀行マンの安達はこの犯人が小学生の時の同級生だと知り、小学生の時に彼がいじめられるきっかけをつくったことに…